マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで |橘 玲
マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで
橘 玲
幻冬舎 刊
発売日 2006-11
オススメ度:★★★★
再分配政策の否定 2007-04-10
著者は、マネロン、地下経済等通常の経済からは見えてこない資金移動に関する知識が豊富であり、本書でも、コルレス口座を通した海外送金の仕組み、米国の北朝鮮に対する金融制裁が何故可能になったのか、ライブドア・マネロンの仕組みとその意図等目から鱗の連続。また、海外送金、オフショアでの金融取引等は、誰にでも利用可能で、租税回避は、海外においては必ずしも責任を問われないケースもあり、移転価格税制(アームズ・レングス・ルール)や過小資本税制も必ずしも万能というわけではないことなどが指摘される。
著者は、国家や会社に依存しない「経済的独立」を究極目的と考えており、「永遠の旅行者」という魅力的な生き方を提唱する。しかし、それが可能となるのは、社会の上澄みのほんの一部であり、多くの人間は、国家や会社にある程度依存し、「経済的独立」を果たせた場合よりも多くの利得を得ている。あとがきには、再分配政策に対する著者の否定的な見方が示されるが、こうした考え方の持つ「魅力」は認めるものの、マクロ経済を全体からみる視点に立った場合、現実の選択肢として無条件に賛同することは出来ない。
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